現在、自動車メーカーが生産調整を余儀なくされるなど、半導体の品薄は世界的な問題となっています。
ということで、エヌビディア(NVDA)の株主としても、ここで頭の整理をしておきたいと思います。
この問題の原因をざっくり言えば、需要と供給の問題、つまり、
1.需要の増大
2.供給力の不足
に分けることができます。
1.需要の増大
需要が増している要因としては、
(1)新型コロナウイルス禍による生活・仕事の変化
(2)カーボン・ニュートラル政策
が挙げられます。
(1)新型コロナウイルス禍による生活・仕事の変化
新型コロナウイルスの感染防止のため、家庭で過ごす時間が増え、また、テレワークが推進されて、スマートフォンやゲーム機、クラウド・コンピューティング等の需要が増えています。
そこに5G化の波が重なり、マイコン・メモリーをはじめとした半導体の需要が増大しています。
(2)カーボン・ニュートラル政策
二酸化炭素排出を減らすため、世界中で自動車の電動化が進められています。
そのため、車載マイコンやパワー半導体の需要が増しています。
2.供給力の不足
一方で、供給力が不足している要因としては、
(1)一部半導体製造業者への集中
(2)米中の経済戦争
が挙げられるでしょう。
(1)一部半導体製造業者への集中
半導体産業は水平分業が進み、半導体によっては、製造が一部の製造受託会社に集中するようになっています。
また、新型コロナウイルス禍の影響で一時的に自動車生産が激減したため、半導体製造会社は、生産設備を他の用途に振り替え、また、設備投資を控えました。
その後、自動車生産はすぐに復活しましたが、半導体設備は既に他の半導体生産に振り向けられており、対応が不可能となりました。
(2)米中の経済戦争
また、米中の経済戦争により、米国は中国の企業に対して自国の技術使用を禁止しています。
その結果、中国の半導体製造能力が減退し、世界全体としての供給力が不足しています。
半導体は需要の波が大きく、また、設備には膨大な費用がかかります。
果たしていつまでこの半導体の品薄問題は続くのか、とても気になるところです。
ここでつくづく思い出されるのは、かつて日本が半導体王国であったことです。
今では見る影もなくなってきていますが、新型コロナウイルス禍で思い知らされたマスク不足や消毒液不足と同様に、国家の安全保障問題に結びつく可能性もあります。
エヌビディア(NVDA)も生産を委託している巨大ファウンドリー TSMC を擁する台湾を、中国が狙っている現状を考えると、尚更です。
是非とも、国家戦略の観点から、日本には半導体の自前生産も考えてもらいたいものです。
段々話が大きくなって、エヌビディア(NVDA)から離れてしまいましたが、今回はない頭を絞って半導体品薄問題を考えてみました。
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