2020年4月30日木曜日

フェイスブック(FB) 2020年度第1四半期決算発表 実質増収減益

フェイスブック(FB) が、4月29日の市場終了後に、2020年度第1四半期の決算を発表しました。

武漢ウイルスの影響で様々な需要が落ち込み、広告収入への悪影響が心配されていますが、どんな決算だったのでしょうか。

1Q20191Q2020増減
売上$15,077$17,737$2,66018%
営業利益$3,317$5,893$2,57678%
純利益$2,429$4,902$2,473102%
一株利益(希薄化後)$0.85$1.71$0.86101%

営業利益率22%33%11%51%

あら、いいじゃないですか。

売上は、前年同期比+2,660百万USドル(+18%)で、増収。

営業利益は、+2,576百万USドルで、率にすると+78%。

純利益も、+2,473百万USドルで、何と+102%。

倍増しています。

このご時世に増収増益とは!

と思いきや、、、。

昨日のアルファベット(GOOG)の決算と同じ展開の予感が、、、。

昨年7月、フェイスブック(FB)は、例の個人情報流出問題がらみで、5,000百万USドルの制裁金を支払いました。

その関連で、連邦取引委員会との訴訟費用と制裁金に備えて、第1四半期に3,000百万USドルの未払い費用を、計上していました。

ということで、2019年度第1四半期の営業利益と純利益は、3,000百万USドル圧縮されていました。

その特殊要因を排除して、通常業務ベースで比較するとこうなります。

1Q20191Q2020増減
売上$15,077$17,737$2,66018%
営業利益$6,317$5,893-$424-7%
純利益$5,429$4,902-$527-10%
一株利益(希薄化後)$1.89$1.71-$0.18-10%
営業利益率42%33%-9%-21%

様相は激変します。

営業利益は、前年同期比▲424百万USドル(▲7%)、純利益も、▲527百万USドル(▲10%)で、共に減益です。

増収にもかかわらず減益ですから、当然、営業利益率も前年同期比マイナスとなっています。

実質的には、増収減益と言わざるを得ません。

この決算を受けて、株価はどう反応したのでしょうか。

発表前の当日終値は、前日比+11.28USドル(+6.17%)の194.19USドルでした。

更に、発表後の時間外で、株価は、+20.81USドル(+10.72%)の215.00USドルに跳ね上がりました。

実質的に減益だったにもかかわらず、株価が上昇したのは、昨日のアルファベット(GOOG)と同様に、市場参加者の予想よりは良かったのが要因だったということでしょう。

本題とは離れてしまいますが、決算発表後にいつも思うことがあります。

市場参加者の予想って意味があるのでしょうか。

それが当たるならともかく、発表後の時間外に株価が大きく変動するということは、それが値上がりであろうと値下がりであろうと、予想がかなり外れているということです。

まあ、長期投資の私にとっては、「あっしには関わりのねえことでござんす」ですが。

それよりも、一日でも早い武漢ウイルス感染の終息の方が重要です。

それまでは、自宅で大人しく、果報を寝て待つことにします。

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2020年4月29日水曜日

アルファベット(GOOG) 2020年度第1四半期決算発表 実質増収減益

アルファベット(GOOG) の2020年度第1四半期(2020年1-3月)の決算が発表されました。

武漢ウイルス禍の影響下、どのような内容だったのでしょうか。

まずは、米国会計基準(GAAP)の数字から。

単位:百万USドル
1Q20191Q2020増減
売上$36,339$41,159$4,82013%
営業利益$6,608$7,977$1,36921%
その他利益$1,538-$220-$1,758-114%
純利益$6,657$6,836$1793%
一株利益(希薄化後)$9.50$9.87$0.374%

営業利益率18%19%1%7%

売上は、前年同期比+4,820百万USドル(+13%)で、増収。

営業利益は、+1,369百万USドル(+21%)、純利益も、+179百万USドル(+3%)で、共に増益でした。

武漢ウイルスにも負けず増収増益とは大したものです。

と思いきや、、、。

前年同期の営業利益と純利益には、ECから課された罰金1,700百万USドル支払いの影響が含まれています。

その影響を除いて前年同期と比較するとこうなります。

単位:百万USドル
1Q20191Q2020増減
売上$36,339$41,159$4,82013%
営業利益$8,305$7,977-$328-4%
その他利益$1,538-$220-$1,758-114%
純利益$8,339$6,836-$1,503-18%
一株利益(希薄化後)$11.90$9.87-$2.03-17%

営業利益率23%19%-3%-15%

すると、内容は一変します。

営業利益は、前年同期比▲328百万USドル(▲4%)、純利益も、▲1,503百万USドル(▲18%)で、共に減益です。

当然、営業利益率も、前年同期比マイナスです。

実質、増収減益です。

やはり、武漢ウイルス恐るべし。

では、この決算を受けて、株価はどう反応したのでしょうか。

発表日当日の終値は、前日比▲42.21USドル(▲3.31%)の1,233.67USドルでした。

しかし、終了後に発表された決算を受けた時間外株価は、+94.33USドル(+7.65%)の1,328.00USドルに跳ね上がっています。

実質増収減益だったとはいえ、市場の予想よりは良かったのが要因とのこと。

まあ、こういった短期の動きは、長期投資の私には関係ないことですが、もちろん値下がりするよりは値上がりした方がいいに越したことはなく、精神衛生上もよいといえましょう。

部門ごとの売上も見ておきましょう。

単位:百万USドル
1Q20191Q2020増減
グーグルサーチその他広告$22,547$24,502$1,9559%
ユーチューブ広告$3,025$4,038$1,01333%
パートナー契約先サイト広告$5,015$5,223$2084%
グーグルクラウド$1,825$2,777$95252%
その他グーグル事業$3,620$4,435$81523%
その他有力候補企業$170$135-$35-21%
ヘッジ利益/損失$137$49-$88-64%
総売上$36,339$41,159$4,82013%

この中で、特に目を引くのは、ユーチューブ広告とグーグルクラウドの高い伸び率です。

ユーチューブ広告が前年同期比+33%、グーグルクラウドが+52%伸びています。

時代を反映して、頑張っています。

ああ、やっぱりな、という感じです。

それ以外の部門も、頑張ってもらいたいと思います。

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2020年4月27日月曜日

アマゾン(AMZN) AWS(クラウド)のマーケットシェアってどれくらい?

AWSは、Amazon Web Serviceの略で、アマゾン(AMZN)のクラウド部門です。

アマゾン(AMZN)の2019年の売上に占めるAWSの割合はわずか12%ですが、営業利益の63%を稼ぎ出しています。

                             単位:百万USドル
部門売上営業利益
北アメリカ$170,77361%$7,03348%
海外$74,72327%-$1,693-12%
AWS$35,02612%$9,20163%
合計$280,522100%$14,541100%

この稼ぎ頭のAWSは、世界のクラウド市場において、どのような存在なのでしょうか。

Canalysというリサーチ会社によると、2019年のアマゾン(赤)のマーケットシェアは、インフラの支出額ベースで32%であるとのことです。

単位:百万USドル




2位のマイクロソフト(青)のほぼ倍のシェアがあり、3位、4位のグーグル(黄)、アリババ(緑)を大きく引き離しています。

いい感じです。

ただ、マーケットシェアというと、普通は売上高などではないでしょうか。

インフラ支出額でのシェアというのは、あまり聞いたことがありません。

ということで、この上位4社のクラウド部門の売上高を、それぞれのアニュアルレポートで調べてみました。

ただし、そうするとその他の会社が含まれず、マーケットシェアは分かりませんが悪しからず。

単位:百万USドル


すると、どうでしょう。

インフラ支出額ベースとは違った順位となってしまいました。

アマゾン(赤)の売上が35,026百万USドル、マイクロソフト(青)の売上はそれより多い38,985百万USドルです。

アマゾン(赤)とマイクロソフト(青)の逆転です。

私の保有株アマゾン(AMZN)危うしです。

この辺りを調べてみると、どうも、「クラウド」をどう捉えるかによって、順位が変わってくるようです。

例えば、マイクロソフトのクラウド売上高には、クラウドで提供されるマイクロソフト・オフィス365のようなオフィスソフトも含まれています。

もちろん、オフィスソフトも立派なクラウドです。

しかし、アマゾンはオフィスソフトは扱っていません。

土俵が違います。

もう少し立ち入ると、このオフィスソフトは、3つに分けられるクラウドの内、SaaS(Software as a Service)に含まれるとのことです。

一方、アマゾン(AMZN)のクラウドは、PaaS(Platform as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)。

はい、ここで迷子になった方。

大丈夫です。

私も同じです。

このSaaS、PaaS、IaaSの話は、後日行ないたいと思います。

その代わり、せっかく各社のアニュアルレポートを1つ1つ調べたので、この3年間の上位4社の売上高の推移をご覧下さい。


各社とも毎年売上高を伸ばしています。

伸び率はこうなっています。


アリババは、中国国内で強いらしいです。

ということで、結局、これがクラウドのマーケットシェアだ、というものは分かりませんでした。

しかし、大体こんな感じという数字を紹介しました。

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