2020年9月12日土曜日

エヌビディア(NVDA) 今更ながら、製造に欠かせないファウンドリーとは何か?

今更ながら。

こんなことを書くと、半導体に詳しい人は、そんなことも知らずにエヌビディア(NVDA)を語ってたの?と呆れるかもしれません。

しかし。

知らなかったのですから、仕方ありません。

まあ、お付き合い下さい。

何と。

エヌビディア(NVDA)は、GPUは設計するだけで、実際の製造はファウンドリーと呼ばれる製造受託企業が行なっているそうです。

ファウンドリー(foundry)という英語は、元々は鋳造工場のこと。

しかし、現在では半導体業界において、自社では設計を行わずに、顧客からの設計データに基づいて製品を受託生産する会社のことを指すとのことです。

有名なところでは、受託生産専業の台湾企業、TSMCが挙げられます。

TSMC = Taiwan Semiconductor Manufacturing Company 台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング

エヌビディア(NVDA)以外にも、アップルやグーグルのAIチップなども受託生産している超重要企業です。

ということで、エヌビディア(NVDA)の新製品、GeForce RTX 30シリーズも、当然TSMCへの委託生産かと思っていました。

ところが、そうではありませんでした。

何とサムスンによる受託生産です。

サムスンが受託生産もする会社だったとは、全く知りませんでした。

ただし。

聞くところによると、この新製品は、サムスンの7nm(ナノメーター)プロセスで生産してみて、上手くいかなければTSMCに戻ればいいと思っていたところが、その間にTSMCの7nmプロセスの生産能力がライバル会社のAMDに売られてしまっていたとのこと。

何だかよく分かりませんが、とにかくそういうことらしいです。

この失敗(?)を踏まえて、エヌビディア(NVDA)は、2021年のTSMCの7nmと、そのひとつ上のレベルの5nmの生産能力を、既に予約済みだとのこと。

今や、高い技術力を備えたファウンドリーがなければ、いくら素晴らしいGPUを設計しても、製品化できない時代だということです。

ここで、ちょっと怖い考えが。

折しも、米中による新冷戦真っただ中ですが、この台湾のファウンドリーは、中国のファーウェイにとっても必要な委託生産先でした。

ところが、米国から横槍が入って、供給がストップ。

ここに来て、中国の人民解放軍の戦闘機が、台湾の防空識別圏の中に侵入を繰り返しています。

ちょっと気になる状況です。

まさか。

とは思いますが、ビジネス競争は、あくまでも平和裏に繰り広げて欲しいものです。

このように、エヌビディア(NVDA)のような米国企業に株式投資していると、今世界で起きていることが、他人事ではなく全て身近に感じられます。

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