⇒ 「スターバックス(SBUX) 債務超過はいつから、なぜ発生したのか?」参照
そこで、ちょっと疑問が湧きあがりました。
株主還元には、自社株買いと配当がありますが、株主にとっては、どちらの方がいいのでしょうか。
今回は、2019年度のスターバックス(SBUX)の株主還元を例に考えてみたいと思います。
2019年度のスターバックス(SBUX)の実績は以下の通りでした。
自社株買いで10,131.5百万ドル、配当で1,801.6百万ドル、合計11,933.1百万ドル株主還元しています。
この実績をケース1として、全て配当で還元した場合のケース2と比較したいと思います。
まずは、自社株買いをしなかった場合の期末株価が、いくらになっていたかを考えます。
単位:百万USドル、百万株
自社株買いがなかった場合の株式数は、実際に自社株買いで買われた139.6百万株だけ多かった1,324.2百万株とし、他の変動はなかったものとします。
すると、EPSは、純利益3,599.2百万USドルを、株式数1,324.2百万株で割った、$2.72となります。
そして、PERが実績と同じ29.09として、理論株価を求めると、EPS2.72掛けるPER29.09で、$79.12となります。
この株価は、自社株買いを行なった実績株価の88.42USドルと比べると、▲9.30USドルとなります。
逆に言うと、自社株買いによるメリットは9.30USドルだったとも言うこともできます。
では、この自社株買いによるメリット9.30USドルを使って、ケース1(自社株買い+配当)とケース2(全て配当)を比較してみましょう。
百万株、百万USドル
株式数は、前例同様に、ケース1では期末実績値の1,184.6百万株、ケース2ではそれに139.6百万株を加えた1,324.2百万株とします。
自社株買いと配当の金額は、表の通り、ケース1は実績値、ケース2は全額が配当に振り向けられたとします。
すると、1株あたり自社株買い効果は、ケース1では自社株買いをしなかった場合の理論株価との差である9.30USドル、ケース2ではゼロとなります。
また、1株あたり配当は、それぞれ配当に振り向けられた金額を、それぞれの株式数で割った、1.52USドルと9.01USドルとなります。
その結果、1株あたり株主還元額は、ケース1では10.82USドル、ケース2では9.01USドルとなり、ケース1の方が1.81USドル有利という結果となりました。
しかし、ここで、「但し」が付きます。
配当は、確実に株主の手元に入ってきますが、自社株買いによる株価の上昇はあくまで理論値であり、確かめようがありません。
また、今回利用したスターバックス(SBUX)の実績では、自社株買いを絡めた株主還元の方が有利との結論となりましたが、これは自社株買いをした際の平均株価がそれなりに安かったからだと思われます。
従って、自社株買いをする際の株価次第で、自社株買いが有利になる場合もあれば、配当が有利になる場合も考えられるでしょう。
普通に考えれば、企業は自社株買いが有利となる株価である時に自社の株を買ってくれると思います。
だとすると、確実に手元に入ってくるが税金が発生する配当がいいか、あるいは、その効果ははっきりしないが、多少有利かもしれず、また、株式を売却するまで課税されない自社株買いがいいかは、株主の好みの問題ということになりそうです。

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