そして、自社株買いをする際の株価次第で、自社株買いが有利になる場合もあれば、配当が有利になる場合もあるという結論に達しました。
では、自社株購入価格がいくらであれば、自社株買いと配当の利回りが同じになるでしょうか?
今回は、前回の記事の流れを逆に辿って、その平衡点となる株価を出してみたので紹介します。
そのために、まずは前回の記事をお読みください。
⇒ 「スターバックス(SBUX)を例に 自社株買いと配当はどちらがいいか?」参照
前回の記事の流れは、
1.自社株買いしなかった場合の想定株価を出し、
2.その想定株価と、自社株買いをした実際の株価との差を、自社株買いの効果(想定株価上昇額)とし、
3.その想定株価上昇額に、1株あたりの配当額を足して出した株主還元額を、ケース1とケース2で比較しました。
今回は、その流れの逆を辿って、平衡点価格を求めました。
ちょっと細かい計算が続きますが、お付き合い下さい。
まずは、ケース1の1株あたり株主還元額が、ケース2(全て配当)と同じになるための1株あたり自社株買い効果「X」を求めます。
「X」は、7.49USドルとなります。
この「X」は、自社株買い有りと無しの株価の差です。
自社株買い無しの株価は、79.12USドルなので、自社株買い有りの理論上の株価は、86.61USドルとなります。
その自社株買い有りの株価86.61USドルを、PERの29.09xで割って、EPSである「Y」を求めます。
自社株買い有りのEPS「Y」は、2.98USドルとなります。
次に、このEPSの2.98USドル」で、純利益の3,599.2百万USドルを割って、自社株買い有りの年度末の株式数「Z」を計算します。
単位:百万株、百万USドル(EPSを除く)
その株式数「Z」は、1,207.8百万株となります。
単位:百万株、百万USドル(EPSを除く)
それと、自社株買い無しの株式数1,324.2百万株の差である116.4百万株が、自社株買いに充当された10、131.5百万USドルで買われた株式数となります。
従って、自社株買いすることによって、全て配当の場合の配当利回りと同じになる株価は、
10,131.5百万USドル ÷ 116.4百万株 = 87.04USドル
となります。
ということで、正解は87.04USドルでした。
尚、実際には、その10,131.5百万USドルでは、合計139.6百万株が買われたので、その平均購入価格は、
10,131.5百万USドル ÷ 139.6百万株 = 72.58USドル
でした。
平衡点の株価よりも、▲14.46USドル安く買っていたことになります。
スターバックス(SBUX)の財務担当者、グッジョブ!でした。
ということが確認できて、これからも枕を高くして、果報を寝て待ちたいと思います。

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