2023年1月19日木曜日

楽天グループの無担保社債 そもそもなぜこんなに莫大な資金を投入してまで楽天モバイルなのか?



楽天グループの無担保社債に投資して大丈夫なのか、これまで見てきました。

<無担保社債の概要>

発行者楽天グループ
社債名第22回無担保社債(社債間限定同順位特約付)
期間2年
償還日2025年2月10日
利率(仮)年2.00%~4.00%(1月27日に決定)
申込単位50万円以上50万円単位(販売手数料なし)
取得格付A(JCR=日本格付け研究所)

⇒ 楽天グループ「第22回無担保社債(期間2年)利率(仮)年2.00%~4.00%」ってどうなの?

最後に、

「そもそもなぜこんなに莫大な資金を投入してまで楽天モバイルなのか?」

を、考えます。

そんなにモバイル事業は「儲かる」のでしょうか。

この業界に詳しい人は「何を今更」と思われるかもしれませんが、お付き合い下さい。

手元にある2020年以降のセグメント別営業利益(Non-GAAP)を見てみると、2020年から2022年第3四半期までの期間でモバイル事業の営業赤字は1兆円を超えています。

せっかくインターネットサービスとフィンテックで稼いだ4千億円以上の利益が台無しです。

単位:百万円

営業利益(Non-GAAP)2020FY2021FY1Q20222Q20223Q2022合計
インターネットサービス¥36,920¥103,351¥17,018¥21,537¥19,848¥198,674
フィンテック¥81,292¥89,119¥22,760¥26,452¥25,176¥244,799
モバイル-¥227,259-¥421,172-¥135,046-¥124,281-¥120,869-¥1,028,627
調整¥6,381¥3,702-¥3,043-¥2,788-¥2,743¥1,509
営業利益合計-¥102,666-¥225,000-¥98,311-¥79,080-¥78,588-¥583,645

これ程までの赤字垂れ流しを補って余る効果とは何なのでしょうか。

釈迦に説法ですが、楽天グループは楽天ポイントを介して、楽天市場、楽天銀行、楽天証券等を有機的に結び付けて「楽天経済圏」を構築しました。

確かに私も、アマゾン(AMZN)株保有者であるにもかかわらずアマゾンは使わず、楽天カードを使って、楽天市場で甘酒を四国から取り寄せ、決済は楽天銀行を使っています。

しかし。

ソフトバンクがPayPay経済圏を構築して追い上げてきているように、楽天経済圏もうかうかしていられません。

そこで、楽天モバイルの登場です。

自前のモバイル事業を確立することによって、他の事業とのシナジー効果を生み出して、楽天経済圏を盤石にしようとしているようです。

2022年7月に開催された「楽天Exopo2022」での発表によると、

・楽天モバイルユーザーの約80%が、楽天市場を利用していたり、

・1年以上利用している楽天モバイル契約者は、契約後楽天市場における年間流通総額を+54%増やしたり、

しているそうですから、しっかりシナジーしています。

ということで、2022年度の営業赤字を底に2025年度には楽天グループ全体で黒字化して、その後はバンバン儲けてもらいましょうか。

果報は寝て待て。

※ 投資は自己責任で

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村

0 件のコメント:

コメントを投稿