黒木亮著の 「トリプルA 小説格付会社」を読みました。
出版されたのは2010年ですが、12年の歳月など全く感じさせない新鮮さと面白さです。
例えば、サブプライムローン。
なぜ頭金も用意できないような低所得者が不動産ローンを組むことができ、その債権が証券化されて世界中に広がり、リーマンショックを引き起こすに至ったのか。
また、本来、客観的で投資家を守るべき格付会社が、どうして恣意的に格付けを行なって、その背中を押すに至ってしまったのか。
登場人物を通じて、まるで自分が当事者のような感覚でハラハラ、ドキドキ追体験しながら、気がつけばそのカラクリが全て腑に落ちています。
そういうことだったのか!
下手な金融の教科書を読むよりずっと分かりやすく、また、為になります。
それだけでなく。
全体を通じて、投資や格付けに携わる人々の人間模様や葛藤も真に迫っているので、小説としても楽しめ時間を忘れてしまいます。
また。
個人的には、この本でリーマンショックを追体験することによって、投資効率だけでなく、資産の安全性の大切さを再認識することができました。
本書をまだ読んでいない方。
悪いことはいいません。
是非、ご一読を。
幻冬舎文庫です。
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